令和2年度「業務主任者の代理者講習会」を受講してきました。お昼休みと休憩は挟むもの、3日間連続で9時から17時まで講習でかなりの疲弊・・・講習と名のつく座学はしばらくはお腹イッパイです
業務主任者の代理者講習を受けるにあたって、インターネットで調べてみたものの、講習会の内容、検定試験に出題される問題等、知りたい情報がほとんど存在していなかったので、ここに筆者が得た情報をまとめてみました
今後、業務主任者の代理者の資格を取得されたい方の一助になれば幸いです!
※免責:今回「東京都LPガス協会が主催する講習会」に参加しました。業務主任者の代理者講習会は、各都道府県で実施しており、参加する都道府県によっては、講習会で使用するテキストや講習内容に違いがあるかもしれませんので、ご容赦くださいませm(__)m
業務主任者の代理者講習会の申し込み方法
業務主任者の代理者講習会の申し込みは、各都道府県の教育事務所で申し込むか、申し込み用紙をインターネットで入手し郵送するか、またはインターネット上での申し込みとなります
筆者は以下の一般社団法人東京都LPガス協会のホームページから申し込み用紙をダウンロード、必要事項を記入の上、郵送で申し込みを行いました
一般社団法人東京都LPガス協会/講習会のご案内
http://www.tokyolpg.or.jp/course_guide.html
業務主任者の代理者講習会の各都道府県の申込先は、液化石油ガス教育事務所となります。以下の高圧ガス保安協会のホームページに、申込先の都道府県一覧が載ってます
検定試験では必要のないテキストを購入してしまった
講習会で使用するテキスト
業務主任者の代理者講習の申込の際に、講習会で使用するテキストの購入が同時に可能です。購入できるテキストは以下となります
1、第二種販売主任者講習テキスト(第 4 次改訂版)2,520円
2、高圧ガス保安法規集分冊(第 17 次改訂版R2 年 1 月発行)1,880円
3、液化石油ガス法規集 (第 35 次改訂版R2 年 1 月発行)3,670円
4、高圧ガス保安法概要(第二種販売主任者編)870円
5、問題集(令和 2 年 4 月発行)2,060円
この中に、業務主任者の代理者の検定試験には必要のないテキストが含まれています。筆者は何も考えずに、すべて購入してしまいましたが、第二種販売主任者と業務主任者の代理者の違いがわかると、何が不要かがわかります
第二種販売主任者と業務主任者の代理者の違い
業務主任者の代理者講習会に申し込むにあたって疑問に思ったのは、業務主任者の代理者の資格を取得したいのに、講習会で使用するテキストは、なせ「第二種販売主任者」?でした
Source:高圧ガス保安協会より
家庭で使うLPガスは海外からタンカーで運ばれてきて、輸入基地などに収められます。ここから運送業者を通しLPガス販売事業者に渡り、最終的に住宅や企業へ運ばれ消費されます。この間、輸入基地からLPガス販売事業者に渡るまで(上図の点線部分)と、LPガス販売事業者から各家庭で消費するまで(上図のピンクで網掛けされた部分)で、法律が異なっています
前者は「高圧ガス保安法」の範疇であり、後者は「液化石油ガス法」の範疇となります。語弊を恐れずにいうと、各法律においてガスの責任者を高圧ガス保安法では販売主任者と、液化石油ガス法では業務主任者と呼んでおります。ある意味、法律により上司(責任者)の役職の呼び方が異なるイメージです
第二種販売主任者と業務主任者は元を辿ると同じガスであり、第二種販売主任者の講習内容の範囲に業務主任者の範囲が含まれているため、テキストは「第二種販売主任者講習テキスト」となっていると考えられます
業務主任者の代理は液化石油ガス法の範疇であり、よって検定試験では「高圧ガス保安法規集分冊」に記載されている内容は出ません
業務主任者の代理者講習会の流れ
講習は3日間あり、初日は法令で残りの2日間は保安管理技術でした。講習会は第二種販売主任者と一緒でした。第二種販売主任者で来ている人50人、業務主任者の代理者で来ている人10人くらいでしょうか。圧倒的に第二種販売主任者が多いです
講習は第二種販売主任者と合同なので、初日の午前は「高圧ガス保安法規集分冊」で高圧ガスの法律の講習でした。なので、業務主任者の代理者の検定試験には出ないので、午前は寝ていても問題ありません(笑)
午後は「液化石油ガス法規集」を使って液化石油ガス法でした。とてもじゃないですが法規すべての内容をやるのは不可能なので、検定試験に良く出るところに絞って講師の方が解説されてました。筆者は説明部分を線をひぱって印を付けて復習するという形をとりました。隣の女性はピンクでマーカーしておりましたね
2日目、3日目は「第二種販売主任者講習テキスト」で保安管理技術でした。最後の1時間は「問題集」を使って検定試験対策でした。第二種販売主任者講習テキストは300ページ程度あり、こちらも重要なところに絞って講習となりました。復習ではそこだけ目を通し、過去問を全部解いて、必要に応じて、第二種販売主任者講習テキストに目を通して補足するという対策で、検定試験は十分です
検定試験内容
業務主任者の代理者の検定試験は20問。試験時間は90分となります。60%正答できれば合格です。法令から8問、保安管理技術から12問出題されます
講習会では業務主任者の代理者を受講する方には別途、検定試験の過去問のプリントが配られました。過去問だけでも十分な検定試験対策となります。法令は毎回繰り返し、同様の問題が出題されますので
法令の問題
1、液化石油ガス法の目的と定義
2、液化石油ガスの販売の方法
3、業務主任者と業務主任者の代理者
4、液化石油ガスの販売に用いる貯蔵施設
5、特定供給設備及び供給設備の技術上の基準
6、消費設備の技術上の基準
7、保安業務
この問題が毎回出題されています。業務主任者に関する問題が2問出題されて、他は各1問ずつで計8問といったところでしょうか
保安管理技術の問題
「第二種販売主任者講習テキスト」は15章に分かれてますが、各章から概ね1つ出題される傾向のようです。なので、満遍なく出題されます
令和2年度の第2回の業務主任者の検定試験では、以下の問題が出題されました
1.アボガドロの法則、発熱量、ボイルシャルルの法則
2.分子量、力の単位、沸点、総発熱量、真発熱量
3.LPガス溶接容器の刻印、充填期限、再検査期限
4.LPガス容器バルブの刻印
5.LPガス用調整器の交換期限、最大閉そく圧力、吹始め圧力、自動切替調整器、二段式調整器
6.LPガス用マイコンメーターの感震器、電池電圧低下遮断機能、検定有効期限、一般のガスメーター
7.LPガス用安全機器のガス漏れ警報器、不完全燃焼警報器
8.FPガス燃焼器の解放式、CF式、EF式、FF式
9.FPガス燃焼器の排気筒、口径、ガス機器防火性能評定品、特定ガス消費機器
10.特定供給設備の各種設備
11.戸別供給設備の供給設備と消費設備、電気式ダイヤフラム式自記圧力計
12.LPガス充填容器等のトラックでの移動
ゴリゴリ計算させる問題は、業務主任者の代理者の検定試験では出ないと講師の方がいっていました。ただ、ボイル・シャルルの法則、発熱量、最大ガス消費量、容器設置本数の意味はきちんと理解しておく方が無難のようです
業務主任者の代理者の検定試験は、しっかり講習内容を復習すれば合格は取れると思います!